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ネクスト経済研究所 > 未分類 > トランプラリーの次に来るものは?

トランプラリーの次に来るものは?

2016.11.22 20:36

トランプ大統領が誕生し10日。直後こそトランプリスクへの懸念から相場は急落したが、その後一転してトランプラリーとなり、ドル円相場はほぼ10円急伸した。この背景は、「トランポノミクス」つまり減税による財政拡大と雇用増大への期待が独り歩きしていることがある。さらにトランプ氏が2010年に成立したドッド・フランク法(金融規制改革法)を廃止する意向を示していたことも大きく作用している。これにより金融界は金融危機以前のように何でも自由にできるとの期待感が高まり、さらに財務長官にJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOやゴールドマン・サックスのムチナン氏と言った具体名が取りざたされるに連れて、ウオール街に安心感が広がっていることも影響を与えている。このように金融市場は大きな期待感に包まれているが、果たして夢見心地はいつまで続くだろうか? ご祝儀相場の次に訪れるのは、やはりドル高への懸念、金融危機再発の恐れそして安全保障体制への不安などの現実であり、相場は不確実性を増すのではないだろうか。

 

2016年は、英国のEU離脱(ブレクジット)と米大統領選の1年だったと言えよう。この行方を巡って金融市場は大きく振幅したが、この二つのイベントが残した教訓は、戦後70年に渡るグローバリゼーションとエリートがけん引する既成政治が大きな曲がり角に立っているということだ。そもそも自由貿易主義の利点を主張したのは、18世紀に「諸国民の富」を書いたアダム・スミスで経済成長をけん引するとした。またデビッド・リカードも、自由貿易を進めると各国で最も優位な産業の生産性が高まり、国際的な分業が進むとした。つまりこの「比較優位論」が実現される世界は合理的かつ効率的な成長を実現すると唱えたのである。このような学説と1930年代のブロック経済による第二次世界大戦勃発に至った事実への反省によりグローバリゼーションが進んできたが、これからはどうなるのか。TPP(環太平洋経済連携協定)が漂流し、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の時代が幕開けする可能性が高い。米国が主導した現代のパラダイムは今大きな転換点に直面し、中国が牽引する世界が始まるかも知れない。しばらく、トランプ政権の現実的な対応、そしてその実体を見極める日々が続きそうだ。

 

このように金融市場はユーホリア状態となり一部には120円説も飛び出している。しかし筆者は、円相場のフェアーウエイは95円―105円との考えを変えていない。したがって目下ドルを売り上がり、相場の自律調整を待つつもりでいる。相場の調整が入る時期については、早ければ年内にも、そして遅ければ1月20日の大統領就任から100日の蜜月期間の終わり、つまり4月末ごろになるかも知れない。

 

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