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ネクスト経済研究所 > 未分類 > 鬼が笑うかも知れないが

鬼が笑うかも知れないが

2016.10.22 16:21

11月8日に投開票が行われる米大統領選があと2週間と迫った。ヒラリー・クリントンおよびドナルド・トランプ両候補は3度にわたるTV討論会を終え、クリントン氏が8-10ポイントリードしたまま最終盤に入った。とりわけアイオワ大学が運営する電子市場の一つである「大統領選先物」などによるとクリントン氏勝利の確率は80-90%を超えており、トランプリスクは薄れたと言ってよさそうだ。したがって市場はすでにその重石から解放されたようで、原油価格や米金利の上昇期待も相まって9月末の100円台から104円台へと上昇しさらに上値をうかがう。果たしてこの相場はトレンドとなるのか。筆者は大統領選がドル高のピークではないかと思っているのだが。

 

今後の円相場を取り巻く材料の中で最も注目されるのが為替需給だ。日本の経常収支は15年の16兆円に続き16年も1―8月は前年を上回るペースで推移している。このドル余剰感が年初来の円高を後押ししており目先変化の兆しはない。その中で今後の需給を左右するのは原油価格の動向で、石油輸出国機構(OPEC)による増産凍結合意やロシアの減産に対する姿勢だ。しかしこのような減産枠組みが実効化されるのかは現状不透明であり、NY原油(WTI)も50ドル水準を大きく上回る上昇は読みにくい。

 

次に注目されるのが年金を始めとする機関投資家の動向だ。ドル円が下落し100円割れを伺うたびにGPIF、ゆうちょ、かんぽなどによる介入モドキの大口の円売り注文が観測されている。ただし各投資家ともにポートフォリオ調整も進んだ現在ではドル買い余力は限定的であり、一過性の需給攪乱に止まることになるだろう。

 

そして3番目に注目されるのが日銀の金融緩和政策だ。総括検証においてその柱を量から長期金利操作へと移した。つまりETFによる株式市場に続いて長期国債市場をも支配しようとの試みだが、要するにこれまでの期待に働きかけることによる通貨安誘導の限界性を認めたと言うことだ。換言すれば、レームダック化が囁かれ始めた黒田日銀には、初期のような円安・株高を再現させるようなことはもはやできないと言うことだ。

 

以上述べてきたように原油価格の急上昇により為替需給のタイト感が創出されない限り一方方向での円安は読みにくい。つまり当面の円相場は100-106円でボックス相場を継続し、次の段階ではブレクジット直後につけた98円台の下抜けを目指すのではないか。さらに来年の話をするのは少し早くて鬼に笑われるかも知れないが、2017年は90円台定着の年となるのではないだろうか。

 

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