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既視感

2018.01.24 09:43

新年もすでに20日を経過したが円相場は113円台から110円台へと上昇しており2018年の大相場を予感させる展開が続いている。とはいえすでに10日間近く陰線が出続けてきただけにそろそろ110円を目前にして一服かとも思える。次週は調整場面と考えてよいのではないだろうか。

 

ところで相場格言では「申酉(さるとり)騒ぎ戌(いぬ)笑う」と言うが、今年は円安・株高のリスクオン相場継続とはいかないように思える。申年も酉年も新年から上海株や人民元の暴落さらには北朝鮮の核実験など東アジアリスクの台頭に迷走気味のスタートとなったが、戌年もまた中国発のニュースが相場を動かした。実際1月10日ブルームバーグは、中国が外貨準備の米国債への投資を減額もしくは停止することを検討しているとのニュースを伝え、米国債(10年物)の金利が上昇し円高も進んだ。(翌日中国政府はその報道は事実無根だとした。)このような情景に既視感を覚えたが、それは20年前に橋本龍太郎首相(当時)が「米国債を売りたい」と発言し物議をかもしたことである。この発言を機に円相場は116円から110円へと上昇したがやはり一見盤石に見える米国の経済システムも国際金融市場もいつ何時揺らぐのか分からないということだ。

 

この10年金融市場はリーマン後の非常事態を乗り越えるために非伝統的金融政策を推進してきたが、今年は如何にそれを脱し正常化を進めるかがテーマだ。米国については2月にパウエルFRB新議長が登場するが、基本的にはイエレン路線を踏襲するとみられる。一方新鮮味があり市場へのインパクトが大きいのが欧州および日本の金融政策の行方だ。ECBは明確に出口戦略へと舵を切っていることから、ユーロ高が著しい。続いて注目されるのが、これまで出口戦略を否定し不動のスタンスを貫いてきた黒田日銀の次の一手だ。過日日銀が超長期債の買いオペを見送ったことが一気に円高の流れを作ったように、今後日銀の実質的なテーパリングの進捗が市場の注目を集めては円高を後押しすることになるだろう。

 

その日銀では黒田総裁の任期が来る4月に満了となる。その後任に誰がなるにしても量的緩和策の「修正」が行われることになるだろう。つまり「大胆さ」を売りにした異次元緩和政策を何らかの形で収束させ、かつて政府筋から「しょぼい」と言われた穏健な緩和政策を行った白川時代のような政策運営へと回帰するのではないか。つまりこの5年黒田日銀が強引に進めた円安を軸とした金融政策が修正されるのだ。つまり今後の円相場を展望すれば「2018年の円高」は回避しがたい状況にあり、70円台から80円台を推移した白川総裁時代の既視感が蘇ってくるのである。

 

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