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日本のリベラルとは何か

2017.10.25 17:46

総選挙終盤戦の世論調査結果を大手メディアが報じているが、態度未決定者が2割に上るだけにこの時点での予測の確実性には疑問符がつく。とはいえ各社とも獲得議席数を自民260、希望60、立憲民主(立民)50、公明30、共産20、維新10と予想しているだけに、どうやら自民堅調、希望失速、立民善戦と言うことで決着しそうだ。つまりブレクジットのような大番狂わせの可能性は乏しい見込みだ。

 

結局公示前に注目された小池新党への抱き付きと言う前原の捨て身作戦は失敗に終わりそうで、「言うだけ番長」の汚名返上には至らなかった。一方立民の善戦は、枝野人気と朝日新聞社の支援が大きく作用したものとはいえ、日本の「リベラル派」を自称する人たちが反安倍で結集した結果でもあるだろう。とはいえ 結局「リベラルとは何か」また「立民がリベラルなのか」について考えさせられるところともなった。自社による保守・革新の対決が続いた55年体制下においてリベラルとは自民党内における自国憲法制定・ 戦前の体制への回帰を標榜する勢力に対し戦後体制容認、対米協調、市場経済を重視する宏池会などを総称するものだった。ところが東西冷戦の終焉とともに行き場を失った左派勢力がいつの間にかリベラルを名乗ることになり、今や一時代前なら極左と言われたメンバーで構成された立民がリベラルの代名詞 を獲得したということである。

 

それでは海外事情はどうかと言えば、欧州におけるリベラルとは保守と左派の中間に位置する中道であり、それらを代表してきたと考えられるのがブレア、シュレーダー、マクロンと言ったところで、思想的には社会民主主義そして市場経済を重視する傾向が強いことが特徴と言えよう。一方米国に目を転じれば、小さな政府やキリスト教を重視する共和党など保守派に対し、大きな政府、人権保護のための政治介入そして環境保護などを主張するのがリベラルでありその政治的主体として民主党が位置づけられる。このように欧米のリベラルと比べると日本のリベラルはかなり左寄りと言ってもよいだろう。

 

どちらにしても自公が300議席に迫る可能性が高い現状、安倍一強政権は今後も続くことになるだろう。そしてこれまで同様の財政・金融政策が維持されることになるとともに、政府・日銀の二人三脚は次期日銀総裁が誰になるとしても継続されることになるだろう。総選挙の影響はすでに市場に織り込まれていることから与党勝利を受けた株高・円安の動きは一過性に止まるところとなるだろう。したがって今後の円相場は欧米と日本の金融スタンスの違いを映じた円売りと北朝鮮動向の不透明感の故の円買いの綱引きを続けながら新たな展開を待つことになるのではないか。当面110円から114円レンジでのもみ合いと考えている。

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