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2017年の予測

2016.12.26 21:26

2016年も残すところ僅かとなった。年初120円で始まった円相場は100円割れを見たが、ほぼスタート時点に戻っての越年となりそうだ。結局今年は、6月のブレクジットと11月の米大統領選に振り回される一年だったと言うことだ。

 

この2大イベントが世界に与えた衝撃は、第二次世界大戦後定着していたグローバリズムが否定されたこと、そしてポピュリズムがエリートによる既成政治を飲み込んでしまったことだ。さらに、ふたつとも大方の事前予想がはずれたことが特筆される。とりわけ一流のメディアが予想を外したことは、メディアの限界と責任論にまで及んだ。特に世論調査に対して人々は本音を隠す傾向があることが明らかになった。実際建前として民主主義の観点からクリントン支持を述べていたのに、本音では高所得者への減税を約束するトランプを支持していた人が多くいたことからも、この種の調査の限界が分かった。

 

そもそも予測というのは人の心を読みとくことだが、人の心が変わりやすく、また建前と本音を使い分ける傾向があることからも、予測することの難しさが改めて浮き彫りにされた。とはいえ、予測の始まりであるアテネのデルポイの神託のご託宣が世の中の方向を指し示してきたように、今後も心を澄まして数々の予測を冷静に判断する必要があるだろう。

 

このように予測の難しさを嫌と言うほど知らされた2016年ではあるが、TIME誌は「Person of The Year」にトランプ氏を選んだ。過去にはキング牧師やエボラ熱と戦う医師団が、他方ヒットラーやプーチンが選ばれてきたものだ。トランプ氏がどちらのジャンルの代表で選ばれたのかは知らないが、2017年もこの人が相場の主役となるだろう。つまりトランプラリーが当面続くのだろうが、その転換点がどの水準で、何時になるが当面の注目材料であり、期待がはげ落ちた時の反動はかなり大きなものとなるだろう。

 

しばらくドルの売り場を探す展開になるが、注目される材料は、何といっても政治的脆弱性に晒されている欧州だ。すでに反移民と反EU感情は、ポピュリズムと手をつなぎ、欧州政治を席巻しようとしている。実際イタリアでは憲法改正が否決され、3月はオランダ総選挙、4~5月はフランス大統領選、9月はドイツ議会選挙と続く。このようにEUの主要国は政治日程が目白押しで、メルケル独首相も盤石とはいえない雲行きだ。欧州の一年後の首脳の顔ぶれがどのように変わっているか見えないのと同様に、EUがどのような姿になっているのか定かではなくなった。この欧州の動きが2017年のトランプラリーの足かせになることは間違いないだろう。

 

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