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ヘリコプター・ベンの置き土産

2016.07.23 20:32

ブレクジットによる市場大波乱から3週間が経過した。一時は英£の急落を見て市場は悲観一色となったが、欧米株価の持ち直しは速くNYダウが市場最高値を更新するなど市場センチメントは回復している。とくに英国では「鉄の女の再来」「氷の女王」とも言われるメイ新首相の下で新内閣が発足し英国情勢も落ち着きを取り戻しつつある。したがってリーマンショック時の6か月にわたり下値を模索するような可能性は乏しいと言える。ただしリスボン条約第50条に基づく離脱通知の時期も見えず交渉の進展が見通せないだけに二番底を探りに行く可能性さらには円買いの再燃について今後も一定の注意を払う必要があるだろう

 

とはいえ円を取り巻く環境については参院選以降改善が進んでいる。とくに100円割れを視野に入れた後の円の切り返しおよび世界でも突出してパフォーマンスの悪さを示していた東京株式市場の回復が目覚ましい。「野も山も皆弱気なら阿呆になりて米を買うべし」との本間宗久翁の言葉通りの展開となったが、その背景にはヘリコプター・ベンことバーナンキ元FRB議長の来日と安倍首相そして黒田総裁との面談があった。もちろん具体的な話の内容は明らかではないが、従来からヘリコプターから現金をばらまくようにマネーストックを増やす景気対策を持論とする同氏だけに、積極的な政府の財政出動そして日銀の金融緩和策を推奨したのではないだろうか。軽度のデフレであれば金融緩和で対処できるが、今のように世界でデフレが重症化する一方で通貨安政策への海外批判が高まる中では国内で完結できる財政政策が有効である。したがってヘリコプター・ベンに後押しされて安倍政権は日銀のマイナス金利政策による空前の低金利で資金調達できる環境を生かして日銀引き受けを積極化させることを考えているに違いない。ついてはその手始めとして、リニア中央新幹線の大阪延伸前倒しなどインフラ整備を骨子に10兆円程度の補正予算を進めることになるだろう。

 

すでにアベノミクスも3年半を経過し、その言葉も色あせて成長戦略もかすむ状況下デフレギャップを埋めるためには財政投資と金融緩和策のポリシーミックスの出動を推し進めるだろう。ついてはヘリマネによる財政出動に加えて7月28、29日の日銀金融政策決定会合でのマイナス金利の深堀とETFやREITの買い増しなどの追加策が決定される可能性が高まる。したがって今年何度も見たようにその具体案が発表されるまでは日銀への期待感で円安地合いが継続し、そして具体案が出た段階で円高に転じることになるのではないか。つまり「噂で買って事実で売る」作戦が当面有効と思われ、105円ぐらいから売り上がりたい。

 

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