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サミット後の円高再燃に要注意

2016.05.23 13:39

仙台と山形を結ぶJR仙山線は広瀬川に沿って走り、新緑の美しさは秀逸だ。沿線にある秋保温泉の老舗旅館「佐勘」では、G7財務相・中央銀行総裁会議が行われた。テーマは租税回避問題、財政政策など多岐にわたったようだ。しかし最も注目された為替認識については、ルー米財務長官が秩序的だと繰り返したように、介入についてはこれまで同様行わないとの原則は不変だったようだ。つまり日本が2011年に行った70円台で10兆円規模といった(円売り)介入の再現見込みは当面乏しい。

 

一方伊勢志摩の英虞湾に面した「志摩観光ホテル」では5月26-27日にサミットが行われる。テロ対策はじめ様々なテーマが議論されるが、最も注目されるのは議長国の日本が前向きである財政出動に各国が応じるか否かだ。各国ともに成長率の底上げに従来から大筋合意しているものの、財政規律が厳しいドイツや英国が財政出動を積極化することについて同意しない見通しだ。したがって16年1-3月のGDPが1.7%成長を示したとはいえアベノミクスに息切れ感が強まる日本は、サミット以降ひとり消費税の延期やヘリコプターマネーと言われる積極的な財政出動など孤独な闘いを続けることになりそうだ。

 

このような環境下すでに市場では6月の日米の金融政策へと視点が移っている。6月14-15日のFOMCにおいて米利上げが行われる可能性は30%近くへと高まってきた。一方で6月15-16日の日銀金融政策決定会合における追加緩和政策実施を読む向きも増えている。これらを反映して、一時105円台まで上昇していた円相場は、再度110円台へと下落している。さらには円高から円安へとトレンドが変化したとの見方まで台頭している。

 

とはいえ目を欧州に転じればブレクジットを問う6月23日の英国民投票まで1か月となった。最近の世論調査では若干ながらも「残留」支持が「離脱」を上回っているが、その帰趨は目下のところ読めない。2014年9月18日のスコットランドの独立を巡る住民投票の際にも投票当日まで英ポンドを中心に為替市場が混乱したのは記憶に新しく、今回もその再現となるだろう。さらにこの間鳴りを潜めていたギリシャも夏場にかけ多額の融資返済期限が迫っており欧州危機が再浮上する可能性が高まっている。ついては英国民投票までの1か月、市場はより神経質となり円高の動きが強まるのではないか。さらに日米の中央銀行もその間動きづらくなるとすれば、その間隙をぬって再度105円に向けて円高が再燃する可能性は捨てがたい。

 

 

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