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築城3年落城1日

2016.03.08 15:51

安倍首相は、本年の年頭所感で「築城3年落城1日」との言葉を引用して政権・与党を引き締めた。しかし実際は甘利経済財政相の口利き疑惑での辞任、宮崎議員の不倫問題での議員辞職さらに丸川環境相の発言撤回などが続き、アベノミクスの形骸化はいうに及ばず安倍政権も落城か?との思いが頭をよぎる。何事においても築城の時間に比べれば、落城の速さは古今指摘される通りであり永田町の一寸先は闇である。

 

一方の本石町はと言えば、黒田日銀総裁も就任してほぼ3年を経過。この間2年で2%のインフレ目標達成を追い求めてきたが、目標は先延ばしされて今や早くても4年がかかる見通し、いや5年の総裁任期中に達成されるのか疑わしい限りだ。そしてバズーカ砲も今回のマイナス金利導入で3度目となるとその効果の減衰は明らか。1月29日のサプライズで1時121円台となったが、それ以降わずか10日で10円も円が急騰した。これまで得た45円、12千円の円安・株高の貯金を一気に吐き出すかもしれないとの恐怖と期待が市場に高まるのもやむを得ない。果たして黒田日銀は3年で築いたものを瞬時にして失い落城してしまうのか、それとも持ちこたえるのか予断を許さない状況が続く。

 

今回の円急騰の背景に、2015年の経常収支が16.6兆円と約10兆円も黒字幅が拡大し、為替需給が緩んだことがある。さらに原油安に改善の見通しが立たず、米国の金利正常化への道のりも遠くなるなどリスクオフムードが高まるのは当然というところ。とはいえ、バズーカ第3弾に効果は期待できず、クロダノミクスは国際金融市場の負の連鎖に飲み込まれて今後円高に歯止めをかけることはできないと断定してしまうのは早計ではないか。

 

実際、黒田日銀はマイナス金利について下限はないとし、また株価=内閣支持率とこだわる政府がドル買い介入や総合経済対策などを発動する可能性は高い。今後も円上昇場面では、購買力平価説でよく引き合いに出される100円水準が浮かんでは消えるが、黒田マジックを軽視して一気に円買いへと突き進むのは危険だろう。特に2月26日にG20を控え、各国の協調行動には要注意だ。とすれば当面は介入ラインと目される111円前後を探りつつも、結局115円水準へと底値を切り上げるのではないだろうか。相場格言に言うように、陰極まれば陽に転ずるものだ。ここは相場の自律反転と黒田総裁のブラフ(はったり)と粘り腰を当てにして逆張りに賭けてみるのはどうだろう。

 

 

 

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