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中秋節に思ったこと

2015.10.22 18:21

去る9月27日の中秋の名月はスーパームーンにあたり普段より14%も大きい満月となった。そもそも中秋を愛でる風習は中国に起源を発するが、中秋節には丸い月餅を食べて満月を祝う。その日から国慶節へと繋がった大型連休は、中国経済が不振と言われるにも拘わらず、日本の全国津々浦々で中国人の爆買いが報道された。同時にマナー違反の凄まじさも伝えられたが、例えば日中間を結ぶLCCが発着する空港には段ボールなどのごみが山のように積み上がった。しかもこれまでの訪日客は中国では経済的に豊かで比較的公共心の高い人々だったと言うのだから日中関係がより濃密になり訪日客が増加する今後は果たしてどうなるのか。

 

一方時同じくして習近平主席は太平洋を越えて訪米し米中首脳会談や国連演説を行った。しかも近頃の米中関係の冷え込みを和らげる為に最初にシアトルへ降り立ちビルゲイツ、ティム・クック、ジェフ・べゾス、マーク・ザッカ―バーグなどIT企業のトップと会合。同時にボーイング社を訪れ300機(約4.5兆円)の購入契約を結ぶなど経済力で米中融和を演出した。これら習主席による爆買いは3年前の副主席時にかつてホームステイしたアイオワを訪れ、日本の輸入額の2年分に当たる大豆(約4千億円)の大量輸入を行ったことに続くものだ。しかし南シナ海、サイバー空間さらに宇宙空間において米中激突が進行していることから、今回の経済演出の効果は限定的に止まった。首脳会談後の記者会見での両首脳の表情がすこぶる硬かったのは印象的だ。「米中は対等な大国関係」を中国は標榜しているものの、今後両国の関係は冬の時代に突入する可能性が高く、様々な分野での摩擦が表面化するだろう。

 

中国では30年に渡った投資主導による高度成長が曲がり角にきており、消費主導へソフトランディングさせることができるのか注目されている。中国の成長は現状7%水準で推移しているものの、仮に5%水準となれば世界の成長率はメルクマールとなる3%を割り込むこととなり、世界経済は一気に緊張度を増すことになるだろう。それは新興国のみならず貿易量が全体の20%と中国依存を高める日本経済への影響が大きいことは必至だ。特に4~6月のGDPがマイナスに転じたように日本経済が停滞感を強める中で中国経済の下押しに直撃される可能性は高い。株、不動産で始まった中国ショックは徐々に実体経済へと波及しつつあり、これが限界値に達した場合には相互に依存関係を高め合う日本を直撃するのは避けられない。現在緩慢な展開を続ける円相場だが、中国ショックー円高―日銀追加緩和―円安といつ何時ジェットコースターに乗っているような状況に陥るかも知れぬ点にはくれぐれも要注意だ。

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