ネクスト経済研究所|国内外の経済・政治・社会の方向性を洞察

カテゴリー

カレンダー

2015年9月
« 8月   10月 »
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

噂で買って事実で売る

2015.09.14 17:26

「噂で買って事実で売る」(Buy the rumor, sell the fact)との格言があるように、相場は期待感で大きく上昇し、その期待が現実化すると期待が大きい分だけ急速にしぼみ下落するものだ。現在の米ドル利上げを期待したドル高は、2013年5月22日にバーナンキFRB議長(当時)が議会証言において、量的緩和の早期縮小(テーパリング)の可能性に言及して以来だ。このバーナンキショックは新興国市場を冷え込ませ、ドル全面高を招来したがそのトレンドは今も続いている。

 

それから2年3か月、米国の金融正常化に向けて第一弾のテーパリングは終了し、そして第二弾として金利引き上げが行われようとしている。9月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決定されるとの9月説、いや12月だとの説、さらには年内2回説など様々だ。どちらにしても年内利上げ必至との見方は期待を呼びドル買いが進む。一方金・銅・原油などの商品価格が12年振りの最安値に達するなど、ポジションはドル買い、商品売りへと大きく傾いている。このように時間をかけて作られたポジションは何時巻き戻しが起こるのかが次の注目点になる。

 

これまで過去2回の米国の金利引き上げを振り返ってみる。1999年6月から2000年5月までの11か月においてFFレートは6回にわたり累計1.75%引き上げられた。そして2004年6月から2006年6月までの間においてFFレートは14回累計4.25%引き上げられている。この市場への影響について、最初の利上げ以降6か月の相場動向を見ると、前者が19円、後者が5円と必ずしもドル高とならず、逆に円高へと転じているのだ。つまり「噂で買い事実で売る」格言が正しいとの結果が導きだされる。「今回は違う」との声も聞こえそうだが、利上げに大きな期待が高まった現在はまさに「事実で売る」好機が訪れたのではないだろうか。

 

現在のドル円相場を見るとこの半年近く120円から125円のレンジで動いている。特に6月末から7月前半のギリシャ危機や中国株価暴落により金融市場でリスクへの認識が高まった時に120円台への円急騰以降は、米国利上げを材料に円安へと進んでいる。すでに年内130円、来年には140円などとの声も強まるなどポジションは大きくドル買いに傾いているに違いない。つまり「噂で買い、事実で売る」環境が整いつつあるのではないだろうか。利上げ決定の報にドルが上昇した場面ではドル売り円買いで対応したい。

 

 

コメント・ピンバック:0
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのTOPへ

ネクスト経済研究所ブログ「風の便り」